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私達の思い

品質で勝負

富山県は、じつは球根生産にぴったりの自然環境です。立山連峰や緑豊かな森、ダムと水田から象徴される「水の王国」といわれ、いつでもおいしい水が豊富にあります。じつは、この水が、チューリップの球根生産にとってなくてはならないもので、土壌の病害を減らしたり、冬から春にかけての畑の地温や土壌水分を安定させ、良質な球根を育てます。
また、球根の品質にとっては夏の貯蔵条件も大切です。この時期、球根の中には、翌年咲く花と新しく肥大する球根の原基がつくられ、貯蔵時の換気や温度条件によってその品質が左右されます。ですから、日本の気候に順応してつくられた球根は、消費者の皆さんのもとでも無理なく生育し、品種本来の美しさを発揮します。
富山の球根生産は、1918年、10球の球根から始まりました。育ての親である水野豊造氏は、日本最初の品種「天女の舞」を作出。現在までに、園芸研究所や生産者が作出した富山オリジナルの品種は100品種を超え、豊富な花色やバリエーションが毎年発表されています。

豊かな自然

日本有数の水田地帯として知られる砺波平野。4月下旬にはあちこちの畑でチューリップが見頃を迎えます。 稲作が盛んなこの地から、水田裏作としてチューリップの球根を栽培し始めてもうすぐ100年になります。 「砺波」地域は、チューリップをはじめとする球根の生産に大変適しています。 それは、「砺波」に次のような地理的・気候的特徴があるからです。
●立山の豊かな水 
●春の日照時間が長い 
●春の気温上昇がゆっくり 
●雪  
この4つの好条件が作用して、色づきと甘みがしっかりのった球根が生み出されます。

信頼の人々

100年前、富山で最初にチューリップの栽培を始めた水野豊造。
生来過激な労働に適しないながらも土に親しむことに興味をいだき、特に球根栽培に情熱を注いだ人です。 富山の球根には今も彼の言葉が宿っています。
「富山のチューリップは土や肥料や労力で作るのでなく魂で作るのである」
「どんな花が咲くか来春でなければ分からない球根を売っているということは、信用を売っていることになる。 だから誰々の畑のチューリップではなく、富山のチューリップをすべてよくしなくては」

チューリップフェアはお客様との繋がりの場

戦後まもない昭和26年(1951)、GHQ(連合軍司令部)により食糧増産の方針に合わないとの理由で、チューリップの試験場が整理統合の対象となりました。チューリップの園芸振興の気運が高まっていた頃であり、 地元の人たちはGHQに試験場の存続陳情を行うことに、 そして地元関係者は試験場で数十万本のチューリップの観賞会を催すことを計画し、 GHQの要人や一般の人々を招待しました。
美しく咲き競うチューリップたちが多くの来場者に感動を与えたことにより、これからの日本の発展には花が必要であると判断されました。 試験場は存続し、この時の観賞会が現在まで続く「チューリップフェア」の始まりとなりました。
最も歴史のある花のイベントとして「チューリップフェア」は発展し、現在では日本はもとより海外からも多くの方々にチューリップの素晴らしさを伝え続けています。
そして私たち生産者にとってもこのチューリップフェアはお客様との繋がりの場として大切なものとなっています。

日本人が好きな花をもっと育ててほしい

NHK調査(2008年)によると日本人が好きな花のランキングで桜が1位で、チューリップは2位となっています。 春の代表花であるチューリップは、入学式など色んな節目である季節の花だからこそ親しみを感じるのだと思います。
しかし、チューリップ球根の消費量はここ15年間減少し続けており、ピーク時の50%以下になってしまいました。
一番好きな花なのにどうしてこんなに減ってしまったのでしょうか?
2016年の日本の消費量(1億7000万球)のうち、富山県産の割合は10%(1760万球)しかありません。 オランダの球根が大量に日本に輸入され、その大半がホームセンターで販売されています。
富山産球根は輸入球根よりも価格は高いですが、開花する品質は世界一だと自負しています。
球根は 見た目だけではその品質の高さはわかりませんが、一度育てていただければ実感していただけると思います。

『花育』を通じた世代間のつながり

花育という言葉を知っていますか。
最近では食育という言葉でテレビや雑誌でもいろんな記事を目にすることが多くなってきました。 小学校や幼稚園、保育園の子供達に花に親しみ、育てる機会を通して、子供達に優しさや花の美しさを感じる気持ちを育む活動です。 以前から生産者は地元の学校や幼稚園・保育園に対し球根の植え込みの活動を行っていました。でもその頃は花育という言葉は使っていませんでした。
国内の球根消費量が徐々に減少していた頃、なにかもっとできることはないだろうか?もっと自分たちの球根の良さを知ってもらえるようなことは?と考えていました。そこで思いついたのが花育活動です。2008年にプロジェクトを立ち上げ本格的に花育活動に取り組み始めました。 教育研究をしている先生達と一緒にチューリップの花育テキストや教材の開発にも手がけ、水栽培を育てて卒業生に贈る取り組みも行いました。
また2012年からはトナミ球根研究会が被災地に出向き、春には摘んだ花で花絵を描いたり、秋には球根を花壇に植えたりと子供達や地元の人たちと花を通した交流を深めています。 このような活動では、みなさんから感謝の手紙や絵が贈られてきます。花を通して笑顔や感動を私たちに届けてくれるのです。

観光農園を楽しむためのマナー

「チューリップの畑が見てみたい」とお客様の声をよくお聞きします。 圃場の外から見ていただくのはいいのですが、球根生産圃場の中に入ると靴の裏についた泥が違う圃場に入るとウイルス病が広がる恐れがあります。 また花の時期に生産者が圃場にいるのはウイルス病などの病気を見つける大切な作業をしているためで、その時に観光客の方が来られると仕事が進まず、困ってしまいます。
そこで、皆さんにチューリップ畑を自由に見ていただくための観光圃場を設置しました。
『砺波チューリップ農園』はお客様との交流の場として私たちも楽しんでいきたいと思います。
【観光農園で守っていただきたこと】 
1.畦(うね)の上は歩かない
2.球根や花は断りなく抜かないこと
3.圃場の土を道路や他の圃場に持ち込まないように、長靴を持ってきてほしい
4.通路が狭いので走ったり、すれ違ったりしないように 
マナーを守って楽しんでください。

匠の勘で品種を選び抜く

チューリップの新品種を作る方法は交配により種子を作り、そこから5年をかけて開花するまでの大きさに球根を肥大させ、 その後は選抜・検定をかけ優良な品種を決定します。さらに球根を増殖させて初めて販売することができるのです。
これらの工程には約20年もかかり非常に息の長い仕事になります。
富山県の園芸研究所では2000もの品種を保存しており、世界有数の施設です。 研究員はこれらの遺伝資源の中から毎年何十通りの組み合わせを考え、育種開発を行っています。
このような育種の最も難しいのは選抜作業です。交配でできた種は1粒、1粒全て異なったチューリップが咲いてきます。 これらの中から、市場ニーズに合った、生産性の高いものを選び出す作業がその育種家の腕の見せ所になります。
生産農家の中には自ら育種に取り組んでいる方もいて、長年の球根生産の経験を生かし優れた品種を選び抜き、現在まで50品種以上ものオリジナル品種を作出しています。

現場に貢献した研究開発

1980年頃、富山県のチューリップに「新型バイラス」と呼ぶ原因不明の病害が発生し大きな問題となりました。 多くの専門家が調査しましたが、病原体や伝染の方法が解明されず、発生は拡大していきました。 産地として存続を揺るがす状況となったのです。
富山県野菜花卉試験場の守川主任研究員が県下中の圃場を調査し、ようやく未知のウイルスを特定することができました。 また、その生態を明らかにし、各種防除法を開発することに成功しました。
<本研究は平成28年度「農業技術功労者表彰」を受賞しました>
これにより、新型バイラスは徐々に減少していき、危機的状況は打開されました。 血清学的診断法(TBIA法)によるウイルス病の検査は球根組合においても簡便にできるため、定期的に品質検査にも用いられています。 近年はさらに高感度な遺伝子診断法も開発され、その後の圃場診断に応用されています。
2017年からはIPM(総合的病害虫管理)にも取り組んでおり、病害虫の発生予察、耕種的、化学的、物理的など防除法をうまく組合わせ、 害虫による被害軽減にとどまらず、付加価値を持った生産物の提供や農薬環境の保全などを農家や消費者にもたらせるようにしたいと考えています。

球根ネット栽培体系への挑戦

チューリップ球根生産は、植込みや収穫作業に多くの労力を要することから、生産コスト削減や作付規模拡大の制限要因となっています。
そこでオランダで超省力化が実現しているネット栽培機械化体系を水田転換畑に導入するため、2014年から球根植込・収獲機の開発に着手しました。
チューリップのネット栽培には以下の特徴があります。
①土がほとんど付かず、収穫球の洗浄作業が不要
②地引網方式で小球も残さず全て収納
③機械開発により植込・収獲作業が大幅に省力化できる。
2015年には国内初のネット栽培専用植込・収獲ロボットが完成し、実証圃場による栽培を行っているところです。
今後はロボットの小型化・軽量化に取り組み、全県の球根生産者に利用可能な夢の機械に挑戦していきます。

IT農業への挑戦

近年IT技術を使ったサービスや製品が様々な産業で盛んです。農業においてもインターネットを使った取り組みが盛んになってきました。
私たちも2017年からIoT技術を活用した取り組みを始めました。 生産圃場の温湿度、土壌水分、EC、地温、CO2を測定・分析し、チューリップ球根生産を改善しようと考えています。 これらのデータを蓄積し、実際の生育状況や収穫物の品質との関係を分析し、栽培に関する経験や勘をマニュアル化することを目指しています。
まだまだ始まったばかりの取り組みですが、もっと面白い農業をめざして挑戦していきます。

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